余白

今日は『余白』について書きたいと思います。


デザインする上で、基本且つ究極だと私が思っているのが『余白』です。

『余白』を制する者はデザインを制すると言い換えてもいいかもしれません。


デザインに本格的に取り組む以前、私は思っていました。

与えられたキャンバスを余すことなく使い切る事が最高のパフォーマンスへの近道だと。


しかしその後多くの経験を通じて、必ずしもそうではない理を知ることになりました。


画面一杯に使う手法も確かにあります。しかしながらこの手法は見る人の心を

いたずらにざわつかせ、見る目を迷わせる原因を生み出してしまうのです。


一方、余白を持たせたデザインはどうでしょう。


余白を持たせたデザインは、見る人の心を落ち着かせ、伝えたいメッセージを

シンプルに、ダイレクトに届ける事ができるのです。


当たり前といえば当たり前の事です。

しかしながら、この当たり前をいかに使いこなせるか。

どれだけのデザイナーが整然とした美しい『余白』を表現できるのか。


余白はまさに料理を乗せる皿の役割です。


または瞑想における呼吸。


武道における間合い。


音楽における休符。


それらと同じです。


『余白』こそ良いデザインの本質を左右します。




三條直人



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